- 毎日寝かしつけをしているけど、なかなか寝てくれない
- 何歳まで続ければいいの?
親にとって、寝かしつけは悩みの種です。寝かしつけは子どもの脳の発達や、心理的な安定に深く関わりがあります。子どもの発育状況や家庭環境によっても変わるため、年齢だけで終わりを決めることはできません。
この記事では、寝かしつけのポイントや実践的な方法を解説します。子育てに奮闘しているお父さんも参考にしてください。
年齢や家庭によって寝かしつけは違う
寝かしつけの方法は年齢や生活リズム、親の考え方で違うため正解はありません。しかし指標があれば楽になります。年齢別や、家庭に合った寝かしつけ方法を探すための目安にしてください。
新生児〜1歳
赤ちゃんは眠る時間が長く、睡眠サイクルが確立されておらず眠りも浅いです。夜中の授乳も必要なので、一度目を覚ますとなかなか眠ってくれません。赤ちゃんの寝かしつけは下記が効果的です。
- 抱っこしながら軽く揺らす
- 優しくお腹をトントンする
- おくるみで包む
- 子守唄をうたう
- 背中や腹部をマッサージする
赤ちゃんが起きている時間から睡眠サイクルを考えて、タイミングを見計らい寝かしつけましょう。
1〜2歳
1〜2歳までは睡眠リズムを作る時期です。親がそばにいることで分離不安を避けられます。分離不安とは、愛情を持つ対象(主に親)から離れることに強い不安や恐怖を感じることです。睡眠リズムを作るために、安心して寝られる環境を整えましょう。
1〜2歳の子供の寝かしつけには以下の利点があります。
- 親子の絆を感じる
- 情緒が安定する
- 睡眠習慣が形成される
スキンシップを取ると、親のぬくもりが伝わり情緒が安定します。正しい睡眠習慣を作るためにも寝かしつけの時間を大切にしましょう。
2~3歳
2〜3歳になると言葉を理解したり喋ったりできるため、子どもの要望を聞くのもおすすめです。しかし、寝る前にスマホやタブレットでゲームをしたり、テレビやDVDを観たりするのは避けましょう。ブルーライトは脳を覚醒するので寝つきが悪くなります。
昼寝の時間も見直してください。1日1〜2時間、午後3時までには起こして、夜の睡眠に影響が出ないようにしましょう。それでもなかなか寝てくれないときは、お腹をトントンしたり背中をマッサージしたりすると気持ちが落ち着いて眠りやすくなります。
4歳〜小学校入学
4歳から小学校入学までは、自立心が育つ時期です。昼間は活発でも夜になると不安になり、寝かしつけが必要な子どももいます。「入眠儀式」と呼ばれる決まりごとを取り入れるのもおすすめです。
好きな本を読み聞かせたり、ゆったりと話をしたりして過ごしましょう。毎晩続けると習慣になり、スムーズに寝かしつけができます。就寝時の寂しさに配慮しながら、自立心を育てる機会として捉えてください。他の子どもと比べたり焦ったりせず、一緒に成長する姿勢が必要です。
家庭ごとに最適な方法を見つける
両親の帰宅時間が遅い家庭は、寝かしつけの時間も遅くなります。兄弟姉妹の有無でも生活リズムは変わるため、各家庭の最適解を探しましょう。両親の価値観によっても生活リズムは違います。下記は価値観の一部です。
- 早寝早起きを大切にする
- 夜型の生活を送る
- 自主性を重視する
兄弟と遊びたかったり、両親に甘えたかったりして眠ろうとしない子どももいます。健康状態を含め、表情や声色など様子を観察しましょう。活発な子どもは寝つきが悪く、おとなしい子どもは寝つきが良いケースもあります。日々の変化を見逃さず向き合うことが必要です。
季節や気候によっても、寝かしつけのタイミングは変わります。夏は日が長いため就寝時間が遅くなり、冬は暗くなるのが早いので就寝時間も早くなる傾向にあります。家庭の事情があっても、睡眠時間は大きく変わらないようにしましょう。
寝かしつけは脳や神経回路の発達に関係する
しっかり眠ることで脳が発達し、心の安定が保たれます。寝かしつけが必要な理由を理解してください。
脳の発達と寝かしつけ
睡眠は脳の発達に影響を与えます。十分な睡眠時間が記憶力や集中力の向上、情緒の安定にもつながるからです。規則正しい睡眠習慣を身に付けると、子どもの脳は発達促進されます。親子の愛情形成にも重要です。安心感を与えると情緒が安定するので、寝かしつけをして絆を深めましょう。
子どもの発達段階に応じて睡眠パターンは変化します。新生児期から幼児期にかけて、睡眠時間や質が変わるため、寝かしつけの方法にも変化が必要です。乳児期は抱っこやおんぶ、幼児期は読み聞かせ、学童期は一緒に1日の振り返りをしましょう。
脳が発達する中で自己調能力が育ち、自分で眠る時間を認識して眠りにつく準備ができるようになります。
神経回路の発達と寝かしつけ
神経回路の発達に関係する項目は以下のとおりです。
- 記憶の定着
- 学習能力の向上
- 免疫機能の維持
- 成長ホルモンの分泌
- 神経回路の形成
- 情動調整能力の安定
免疫機能や神経回路にも影響を与えます。ストレスホルモンであるコルチゾールのレベルを低下させ、自律神経のバランスが向上するため睡眠は重要です。睡眠ホルモンであるメラトニンの分泌を促進し、自然な睡眠リズムが整います。
スムーズな寝かしつけをする方法
寝かしつけから一人寝に移行するために効果的な方法を7つご紹介します。無理なくできることを取り入れてください。
子ども用の寝具を整える
睡眠環境を整えるため、快適な寝具を準備しましょう。転落防止や窒息リスクに配慮したベッドを選ぶと、安全性も確保されるためおすすめです。季節に合った素材や適切なサイズのパジャマや布団に買い替えてください。アレルギーがある子どもには、防ダニ加工や低アレルゲンの製品が適しています。洗濯のしやすさも大切です。
好きなデザインやキャラクターがあれば、自分で選ばせましょう。寝る楽しみができると自分で準備をするようになり、1人で寝る流れを作れます。
眠りやすい環境をつくる
ベッドや布団の配置を決めましょう。安心して眠れるように、窓からの距離やドアとの位置関係を考慮してください。部屋を暗くすると、体内時計が自然に眠りのモードに切り替わります。カーテンやブラインドを閉め、遮光カーテンを使うのも効果的です。
18~22℃の室温と50~60%の湿度を保つため、エアコンや加湿器が役立ちます。騒音を抑え、静かな環境を作りましょう。母親の胎内で聞いていた音に似ているホワイトノイズは、生後3か月までの赤ちゃんに効果があります。
ラベンダーなどのリラックスできる香りを使用するのもおすすめです。アロマディフューザーやルームスプレーを活用しましょう。
日中の行動量を増やす
日中にたくさん体を動かせば、自然に眠くなり寝つきも良くなります。以下の方法がおすすめです。
- 外遊びや散歩をする
- 運動や体操を取り入れる
- 室内でも体を動かすゲームをする
- 家事の手伝いをする
体力を使い、ぐっすり眠れるように工夫してください。スポーツ教室や習い事に通わせるのも良い方法です。定期的な活動は子どもの生活リズムが整います。
家族で一緒に体を動かすのもおすすめです。絆を深めながら、健康的な生活習慣を作れます。休日には、体を使う外出を計画しましょう。自然の中で遊んだり体験型の施設に行ったりすれば、好奇心を刺激しながらたくさん運動できます。
就寝前のルーティンをつくる
就寝前のルーティンを作ると、体と心が眠りに向かうために有効です。以下の項目を組み合わせて作りましょう。
- 入浴する
- パジャマに着替える
- 歯磨きをする
- 部屋を暗くする
- 静かな音楽をかける
- 絵本の読み聞かせをする
毎晩同じ順序で繰り返してください。体内時計が整い、スムーズに眠りにつけます。ただし、年齢や好みに合わせた調整が大切です。無理強いせず、楽しみながら行いましょう。
寝かしつけの時間を少しずつ減らす
自立心を育てるステップとして、寝かしつけの時間と回数を減らしてください。最初は5分から時間を短縮するのがおすすめです。慣れてきたら、寝かしつけの回数を毎日から1日おき、週2日へと徐々に減らします。不安を和らげるために、安心できるぬいぐるみや毛布を用意しましょう。
ゆったりとした雰囲気の中で、1日の出来事を振り返ったり感謝の気持ちを伝え合ったりするのも効果的です。スキンシップを増やし、寝かしつけの代わりとなる親密な時間も作れます。寝かしつけを減らす理由を子どもにわかりやすく説明するのも重要です。理解を得ながら進めることで、スムーズに一人寝へ切り替えられます。
子どもの自信を育む
子どもの自信を育てるサポートをすると、1人で寝ることにも前向きになります。子どもの自信を育てるには、以下の方法が有効です。
- 小さな成功体験を積ませる
- 努力を認めて褒める
- 自己肯定感を高めるために言葉をかける
- 意見や選択を尊重する
寝る前の準備を自分でできるように見守りながらフォローし、パジャマを自分で着られたら「上手に着られたね」と褒めてください。1人で寝られたときも褒めましょう。「すごいね」「偉いね」と言葉をかけてください。
失敗を恐れずにチャレンジさせるのも大切です。苦手なことに挑戦させ、できなくても責めずに「次はきっとできるよ」と励ましましょう。子どもの得意を見つけて伸ばすと自信につながるため、日々の生活でも褒めてください。自立心も芽生え、1人で寝ることへの不安も少なくなります。
寝かしつけを無理にやめない
一人寝を嫌がるときは、焦らずに対応しましょう。気持ちに寄り添いながら不安を理解し、共感することから始めてください。子どもにとって1人で寝ることは怖い体験です。「となりの部屋にいるからね」など声をかけて、安心感を与えましょう。
寝かしつけは愛着形成をしたり安心感を与えたりするため、情緒の発達にも役立ちます。急激な変化はストレスを与えるので、徐々に自立を促しましょう。無理にやめようとせず、子どものペースや成長に合わせて少しずつ寝かしつけを減らしてください。
寝かしつけがつらいときの対処法
寝かしつけがつらいときの対処法を解説します。家族の協力や見守りカメラの活用など参考にしてください。
パートナーや家族と役割分担する
パートナーや両親など、家族に協力を求めましょう。それぞれ役割分担できると、寝かしつけの負担が軽減し、心身の疲労も和らぎます。家事全般を含めて分担するのがおすすめです。体力や仕事の有無、疲労度を考慮しながら調整しましょう。
定期的に家族会議を開き、役割分担を見直し、1人に負担が集中しないよう公平を心がけてください。寝かしつけの方法や工夫を家族で共有しましょう。互いの努力を認め、感謝の気持ちを伝えると家族の絆も深まります。
見守りカメラなどのツールを活用する
見守りカメラなどを活用すると、寝かしつけをサポートできます。離れた場所から様子を確認したり、快適な睡眠環境を維持したりできるからです。親の不安を軽減し、子どもの安全を確保できます。以下のツールを活用しましょう。
- ベビーモニターや見守りカメラ
- スマートフォンと連携したアプリ
- 音声センサー付きのデバイス
- 温度・湿度センサー付きのカメラ
- タイマー機能付きのナイトライト
ベビーモニターを設置すれば泣き声や動きを検知し、すぐに対応できます。子どもと接するコミュニケーションも大切にしながらバランスを保ってツールを活用してください。
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子どもにとって父親は遊んでくれる人
父親が寝かしつけに失敗するのは、遊んでくれる相手だと認識しているからです。寝る前に遊ばせてしまうと脳が興奮状態になるため、子どもが寝ようとしません。寝かしつけをする際、以下の項目に当てはまっていたら改めましょう。
- 子供より先に寝る
- 抱っこからすぐに布団に戻す
- 諦めるのが早い
- 「ママがいい」の一言に負ける
子どもはいつもと同じ状況に安心感を覚えて眠りにつきます。母親と違うルーティンで寝かしつけをすると不安になるため、事前に打ち合わせしてください。手をつないだり音楽を流したりして、自分は守られていると子どもに伝えるのも有効です。遊ぶだけではなく、一緒に寝てくれる相手だと認識させましょう。
まとめ
寝かしつけは年齢だけで決められません。親にとっては大きな労力が必要です。しかし、愛情を伝えられたりスキンシップを取ったりすると、心身が健やかに育ちます。焦らず子どものペースに合わせ、家庭に合った寝かしつけ方法を見つけてください。子どもと一緒に成長できます。
» 見守りカメラの選び方と効果的な使い方を紹介